2012年09月16日

人を伸ばす力(why we do what we do)を読んだので書評してみた

エドワード・デシという人の書いた、人間のやる気(モチベーション)に関する書籍です。
私はこの手の本が大好きなのです。
評判を聞いて安い洋書で買ったものの、やっぱり英語が分からず、結局日本語訳版を買い直しました。

人を伸ばす力-内発と自律のすすめ

「人間のやる気というのは、飴とムチの理屈で説明出来るのだ」
「報酬を与えれば、その分、やる気が出るはずだ」
「恐怖で脅かせば、その分、やる気になるはずだ」
と多くの人は考えているけど、実際にはそうではない事例もたくさんあるよ、というのがこの本の導入部分です。

例えば51ページ。
「バイオリンを毎週一定時間練習すると金色のシールをあげよう、そしてそのシールが一定量貯まったら何か景品と交換してあげよう」
とバイオリン教室の先生に言われたリサという6歳の少女は、次第に、バイオリンを弾く事自体よりも、練習時間を経過させる事の方に関心を持つようになり、バイオリン演奏そのものに対する興味を失っていきます。

一方で、単なる肉体労働の場合、例えば石炭をスコップで荷台に積んだ分だけ報酬を貰えるというような場合は、報酬システムが見事に作用し、生産性が最大化されます。

では、バイオリン練習と、石炭積みの肉体労働との違いは何か。
それは、バイオリンは演奏する事自体が楽しい行為であるということです。
それ自体が楽しい行為である場合に、そこに報酬システムを持ち込んでしまうと、逆に行為への興味を失い、どうしたらラクして報酬を手に入れられるかという方向に知能を働かせるようになってしまうようです。

勉強というのは本来楽しいものなのに、
「勉強したら、その分、何かご褒美をあげよう」
と言って親が子供を報酬で釣ろうとすると、子供は勉強への興味を失い、いかにして親を騙して褒美を得るかに注力するようになります。
それは、
「報酬をくれるということは、これはきっと辛くて苦しいことであるに違いない」
と脳が認識するからかも知れません。

いずれにしても、プレッシャーを与えたり、恐怖で脅したり、報酬で釣ったり、監視したり、評価したり、という統制システムは得てして逆効果となるようです。

グーグルのオフィスが非常に開放的で、遊び道具がいっぱいあったりするところを見ると、グーグルの経営陣はその辺りの動機付け理論をしっかり認識しているように思われます。

posted by よしとも at 16:26| Comment(0) | 日記
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